トルコリラは高金利通貨 しかし投資に適さないのはなぜ?

 

トルコリラは高金利通貨、しかも今後の成長が見込まれる新興国ということで、人気のある投資先になっています。

 

ところが、、

 

トルコリラは持てば持つほど損をする

 

つまり投資対象としては適していない通貨だと言えます。以下に、その理由をお伝えしていきますね。

 

 

新興国通貨には、たしかに魅力はあるんですが、、、

 

新興国通貨が人気になっている理由

 

トルコリラ、ブラジル、南アフリカなどの新興国通貨・債券は投資先として人気がありますよね。人気の理由は、日本では絶対にあり得ないほどの金利の高さにあります。

 

日本では超金融緩和が続いていて、高利回りの魅力的な投資先は見当たりません。

 

ところが、新興国だとかなり高金利の投資が可能ということで、FXや債券投資が魅力的に映ります。特に、FXの場合は、スワップポイントという利息が毎日のように積み重なってきますから、お金が増えている実感がありますよね。日々増えていくスワップポイントを眺めていると、

 

「ホッタラカシでこんなに利益が入ってくるんだ!」

 

と妙に嬉しくなるものです。

 

 

新興国の成長にも期待が高まる

 

高金利通貨として有名なのはオーストラリアドルやニュージーランドドルです。オーストラリアは豊富な鉱物資源を、またニュージーランドは豊富な農産物を有し、安定した経済運営がなされていますが、国としての成長性はそれほど見込めません。

 

その一方、新興国は、経済成長が著しい点が大きな魅力。これから発展してくる国々を応援したいという気持ちは誰しも少なからずあると思います。

 

新興国への投資を通じて、投資対象の国の経済発展に貢献できるというのも、新興国通貨投資の一つの魅力かもしれません。

 

 

トルコ(トルコリラ)を取り巻く経済環境

 

トルコの政策金利は高金利だから、有利な投資対象だと勘違いしがち!

 

トルコでは、トルコ中央銀行が金融政策の決定を行っています。

2017年10月現在の政策金利は、7.25%となかなかの高金利。

 

トルコリラ建ての債券の利子(クーポン)やFXのスワップポイントは、この政策金利を基準にして決定されています。

 

ですから、トルコリラへの投資は、非常に高い利回りが得られるのです。低金利が続く日本から見ると、この高金利が一見有利な投資のように見えてしまいます。

 

 

トルコの高いインフレ率のせいで高金利が台無し

 

政策金利が高いトルコですが、実はインフレが続いている点に注意が必要です。

 

毎年約10%のインフレが進むトルコでは、年々物価が10%ずつ上昇していることになります。

 

物価が上昇しているといっても、実際の物の価値自体はそれほど変化するものではありません。つまり、物の値段が毎年上昇しているように見えますが、実は物価が上昇しているように見えて、トルコリラという通貨の価値が年々下落しているのです。

 

インフレ率が10%のトルコの場合、トルコリラの価値は毎年10%ずつ下落していると言い換えることができますね。

 

もはや投資として成り立っていないトルコリラ

 

このように、毎年10%ずつ価値が低下していく通貨を、わずか7%程度の金利(スワップポイント)で補填しているのが、トルコリラ投資の現実です。

 

果たして、こんなモノに、投資する価値があるのでしょうか?

 

高い確率で損をすることが見えていて、どこにも優位性が見当たらないトルコリラ投資。これが、トルコリラ投資をやめるべき根拠です。

 

 

軽視できないトルコ固有のリスク要因

 

近隣諸国との関係は非常に不安定

 

トルコは多くの国々に囲まれています。多くの国に囲まれているからこそ、交通の要衝として古くから発展してきた歴史があります。

 

しかし、この近隣諸国との関係は、必ずしも良好とばかりはいえないようです。北にはロシア、南にはシリア、さらにイランやイラクなどもあり、近隣諸国とは少なからずトラブルを抱えてる点がリスク要因と考えられます。

 

民族対立が激化していて、内政も大混乱

 

トルコ国内に目を向けると、国家を二分するような民族間対立が激化しています。2016年にはクーデター未遂事件が勃発しており、内政も不安定というのがトルコの現状です。

 

まさに内憂外患のトルコ。何かコトが起これば、トルコリラの暴落は免れません。

 

「何もおこりませんように・・」

 

と祈り続けるしかありませんよね(苦笑

 

 

【反論】トルコリラ/円の値上がり益が狙えることもあるのでは?!

 

トルコリラが値下がりを続けているとしても、トルコリラ円のチャートを見ると、

 

「値上がり益が狙えるタイミングが確かにあるはず」

 

こう考える人がいるかもしれません。

 

でも、よく考えてみて欲しいのですが、トルコリラ円が値上がりしている場面というのは、円安が進行している場面となります。

 

円安局面で利益を上げるのであれば、なにもリスクの高いトルコリラを投資対象とする必要はありません。アメリカドルやオーストラリアドルとの通貨ペアのトレードをすることによって、余計なリスクを負うことなく円安相場を狙っていくことができるからです。

 

 

トルコリラより有利な投資先は星の数ほどありますよ^^

 

最後に、まとめ。

 

トルコリラのような持っているだけで損をするトルコリラへ投資をすることは、正しい投資行動ではありません。

 

もっと有利な取引対象は、ゴロゴロありますし。

 

目先の金利(スワップポイント)なんかに騙されないで、投資の本質を見極めた上で正しい投資・優位性のある投資をしていただきたいと思います。