- 投稿 2016/09/24
- 老後に備える
イールドカーブコントロールが目玉だが・・・
日銀が2016年9月21日の金融政策決定会合で決定した新しい金融緩和政策。
その名も、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」というらしいですが、これまで実施してきた「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」から何がどう変わったのでしょう。
イールドカーブというのは、短期金利から長期金利までを期間別にグラフにしたものです。
将来の金利のほうが高くなるので、通常は右肩上がりの曲線になっています。つまりこの曲線がイールドカーブということになります。
(なお、説明が前後しましたが、イールドというのが金利の意味です。)
このイールドカーブを日銀が調節(コントロール)して、短期金利と長期金利の差を一定に保つことで、金融緩和効果を継続しようとするものです。
長期金利が上がらないことで、企業や個人の投資意欲を刺激して、景気の回復(下支え?)を意図しているわけです。
イールドカーブコントロールの意味はお分かりいただけましたでしょうか。
イールドカーブコントロールの問題点
このイールドカーブコントロールの問題点は、経済学の常識では長期金利は中央銀行がコントロールすることはできないとされていることです。
実際のオペレーションとしては、日銀の保有する長期国債を売却したり、日銀が市中の長期国債を購入したりしてイールドカーブコントロールを行うことが想定されます。
「そんなに都合よく取引が成立するのか?」という点に疑問が残りますよね。
日銀の黒田総裁が、経済学の常識に挑戦するといえば聞こえはいいですが、もはや常識はずれの奇手・奇策でしか乗り切れないほど追い込まれているというのが実状なんだろうなぁ、、って思ってます。
イールドカーブコントロールに失敗したらどうなる?
日銀の新しい政策「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」がもし失敗した場合には、いったい何が起きるのでしょうか?
イールドカーブコントロールを云々する以前に、日銀がこれまで支えていた株高のミニバブルが弾けてしまうことが十分考えられます。
すでに、日経225型のETFを日銀が買いすぎてしまったことから、日経平均株価の下支えが難しくなってきています。
TOPIX型のETFの購入にシフトしているということですが、TOPIXは東証1部の時価総額をベースとする株価指数なので、日経平均のように簡単には操作できません。
日経平均株価がしばらく下値を模索することは十分想定しておく必要があります。
で、肝心のイールドカーブコントロールの失敗については、長期的には株式市場だけでなく為替市場へも大きな影響を及ぼすことが確実ですが、リスク回避による円高になるのか、あるいは日本国債への信頼が剥げ落ちて「日本売り」の悪い円安になるのか、現時点では想像もつきません。
ここのところの日銀の政策は、将来への不安を募らせるばかり、と思えるのは私だけでしょうか(苦笑
とりあえず、個人トレーダーなので、「想像できないことは考えない」ようにしています。下手な考え休むに似たり、ですね!
目先のチャートを使ってしっかりとリスクを管理した上で、チャートの示す方向にしっかりとポジションを乗せていく単純作業を繰り返すだけですね。
トレードで儲けるには、不安なニュースなんて一切見る必要はないのですが、昔からの悪い癖でついつい経済ニュースをみてしまいます。もっと修行を積んで、チャートだけしか見ないでも稼げるトレーダーに成れるようになりたいものです。